沿革

『大竹市暴カ監視追放協議会』の活動について

大竹市暴力監視追放協議会では、暴走族や暴力団を出さない為に,青少年の健全育成を目的に毎年『少年サッカー大会』を開催しています。毎回参加チームも増え、10周年の記念大会の時は、芝の上で競技がしたいと言う子供たちの夢を叶える為、広島ビッグアーチで大会を開きました。必死でボールを追いかける少年の後ろ姿に犯罪の影などひとかけらもありません。
しかし、新聞紙上では少年の犯罪、いじめ、虐待、そういった事件が後をたちません。こんな病める社会を作ったのは、我々大人の責任であり、子供を守るのは大人の務めだと強く思うようになりました。
そして、大竹高校の生徒に活気が無いとの相談を受けたことをきっかけに、平成15年4月、「おはよう」の声かけを始めようと、大竹駅前に毎朝立ちました。「おはよう」と声をかけても無視され、「なんや、このおっさん」というような顔をされ、情けない思いをすることが続きましたが、とにかく毎朝同じ時間、同じ場所に立ちました。まず、うちの会員が一人増え二人増え、そのうち散歩していた地域の人が加わるようになりました。そうすると、小さい声ながら生徒からも「おはよう」と返してくれるようになりました。そして、用事があって欠席すると子供たちの方から「もう一人のおじちゃんは?」とか「おじちゃん、昨日はどうしたん?」とか、我々も「連れの子は、風邪ひいたんか?」とか「今日は通る時聞が遅いぞ、少し走れ。」 とか、お互いに声を掛け合うようになりました。シャツを出して登校していた子がいつの間にかシャツをズボンに入れて登校する子に変わってきました。

初めの頃は、自分たちが立っている一点しか見られなかったのが、中学生の遅刻が多いから校門の所へ立とうとか、あの通学路の交差点は交通量が多いから危ないとか、重要で危険な場所がいくつもあることに気付かされました。大竹警察署からもパトカーを流してもらえるようになり、我々の会員と地域の方々、特に定年退職組の人と『ハローの仲間』を結成しました。現在では、大竹市内10数箇所、80名余りの仲間が小・中・高の児童生徒の登校する日は、毎朝「おはよう」のあいさつ運動を繰り広げています。

そんなある朝、大竹高校の生徒さんから「ハローのおじさんたちに自分たちの文化祭を見に来て欲しい」と案内を受けました。仲間10人と平成15年の秋に文化祭に行かせてもらいました。その時、美術部の生徒さんによって、鳥や動物の絵がにぎりこぶしくらいの石に描かれているのに出会ったのです。それがとてもユニークでずっと印象に残っていました。いつものようにあいさつ運動を行なっていると、元会長が「この間の大竹高校の石の絵じゃが、もっともっと大きな石に描いて街や公園にいっぱい置いてある夢をみたんじゃが。」 と言うのです。「大きな石に描くのは大変かもしれんが面白いね。」と仲間で話し、さっそく大竹高校に話してみました。「手伝って頂けるなら、生徒に描かせて下さい。」と言っていただいたので、「よし、夢を実現させよう。」 と平成16年度の我々の会の事業に決め、準備に取りかかりました。

まず大竹高校へ大きな石を運ばなければいけません。するとある人が「石はいくらでも持って行って下さい。」と提供してくれ、それを運ぶのは地域の人とハローの仲間がボランティアで。そのうち大竹中学校の生徒も加わり、夏休みも返上して、先生も地域の大人達も一生懸命でした。二学期が始まり仕上げにかかる頃、大竹中学校から「やはり生徒が幼いので、間に合わないかもしれない。」と言われ、PTAにも呼びかけ最後の追い込みをかけました。まさに子供と大人が一丸となってがんばった結晶でした。

平成16年12月11日、大竹駅前の緑地公園に17基のストーンアートを設置して、除幕式を執り行いました。がんばれば必ず成果が出るもので、実にすばらしい石の絵が完成しました。参加者みんな感動しました。大人が上から子供たちを見下すのではなく、子供の目線に立って大人がいかに本気でやるか、そうすれば子供たちも本気でついてくる、そんな確信が得られました。今では大竹市の駅前、公民館、市庁舎、警察署、消防署、地域の公園など、いろいろな場所にストーンアートを置かせていただき、街行く人が足を止めて見てくれています。

毎朝の「おはよう」の声かけ運動から始まったストーンアート、夢を夢だけで終わらせるのではなく、いかにその夢を実現するか。我々大人にやる気を起こさせたパワーは、子供たちからもらったような気がします。大竹市の街の環境を整備し、予供達と地域の大人達がうまくふれあいコミュニケーションが取れれば、将来、暴走族もなく暴力団もない『安心、安全で、明るく住み良い街』が持続していくと信じています。